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先日終了したMelting Pot Exhibition #04「きのこ」展の模様です。お越しいただいた皆様、ありがとうございました。今回の自分の作品を紹介したいと思います。

ここまで説明する必要も無いかもしれませんが、たまにはいいかなと。見てのとおり、屏風です。タイトルは「Wheel of Matter(”物質の”輪廻)」。作品のメッセージ以外のテーマは2つあって1つが大きい作品を作るということ、もう1つが新しい日本画を作るということ。なぜ日本画なのかと言うと、日本の文化に貢献できるような、その一部になれるような作品を作りたいからであり、(もちろん何でもいいものを作れば貢献できるわけだけど。) なぜ屏風なのかと言うと、海外から来た美術という概念に対するささやかな反抗、日本の絵は昔から実用性があるものに描かれる事が多かったということ、そして単純に屏風が好きだからということ、大きい絵が描ける上、畳んでコンパクトになるからです。

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今回の作品は銀屏風(洋銀)に胡粉(貝殻を粉状にしたもの)を膠で溶いて描き、黒い点の部分は墨、ピンクは水干、右端の印には朱を使っています。つまり、画材で言えば完全に日本画なわけです。このところ新しい日本画というものが色々出て来てはいますが、どれもモチーフが新しくてタッチは日本画というものばかりで、それはそれで好きなのですが、それでは日本画のもっと先の展開が見えず、進化の袋小路に入り込んでしまっている感があるように思えるのです。そこでもっと自由な、モチーフもタッチも日本画ではないしかしながらどこか日本を感じさせる(少なくとも海外の人には)作品を目指しました。また、胡粉などを使用したのは天然の素材なので流しても汚染をしないからという理由もあります。 とは言ってもこれからアクリル絵具等を一切使わないという訳ではないですが。

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そして今回の作品で伝えたい事。今回の展覧会のテーマである「きのこ」は菌類の一種で、自然の中の役割は落ち葉や朽木、動物を分解するということです。きのこ等の菌類がいなければそれらは朽ち果てずにその場にずっとそのまま残るということになります。つまり、色々な物質、生物は分解されて朽ち果てる事で次の”何か”に生まれ変わることができるのだから、朽ち果て、消え行く事は幸せなことである。ということが今回のコンセプトです。魂が輪廻をするのかどうかは分かりませんが、物質はビッグバンの瞬間からずっと輪廻を繰り返しているのです。以上。説明でした。

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